アパートは自主管理・管理委託どちらがよい?仕事内容を現役大家が紹介
アパート経営は自主管理か委託管理のどちらが良いのか、メリットとデメリットが知りたいと考えていませんか。
アパートの自主管理と管理会社に任せる方法に関して比較検討をした結果や、メリットとデメリットを解説します。
親から受け継いだアパートを自主管理している大家ライター。大手通信会社直営の部署にて勤務し、インターネット設備関連に詳しい。インターネット関連また家業のアパート経営から不動産関連の記事を多く執筆。
目次
アパートを自主管理しはじめると、アパート管理の仕事は意外にたいへんと感じませんか?
そのため、アパートの管理を委託会社に任せたほうがいいのではないかと悩むこともあるでしょう。
実は、アパートを自主管理しながら、アパート経営に欠かせない一部の業務を管理委託する方法があります。
本記事では、アパートの自主管理についての解説を踏まえながら、アパート経営において管理会社に任せた方がいい業務や見極め方などを解説します。
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アパートの自主管理の仕事内容
アパートの自主管理の仕事内容は下記です。
・入居者募集/審査/選定 |
アパート経営における業務内容について詳しく説明していきます。
入居者募集・審査・選定
入居者は、募集チラシや張り紙、インターネットで入居者募集をかけます。仲介手数料が発生しますが、大家さんと入居希望者がマッチングするサイトもあるため利用するといいでしょう。
しかし、独自で入居者を募集するだけではすぐに入居者が見つからないケースもあるため、仲介業者を利用する大家さんも多数います。
仲介業者は数多くの物件を扱っているため、他の物件に埋もれず紹介してもらえるよう空き物件の資料や手作りチラシを持っていき、物件の良さをアピールしましょう。
また、入居してほしいターゲット層や基準を設定しておくことも重要です。設定したターゲット層に強い仲介業者を選んで入居者を募集すると、より確実に入居者を募ることができます。
家賃集金・督促
入居者から家賃をいただくこともアパート経営の重要な業務です。
家賃を振込んでもらうケースが多いですが、もしアパートを自主管理していて家賃滞納が発生した場合は、家賃督促の連絡を入れないといけません。
故意によるものではない場合もあるため、自主管理する大家さんは入居者とトラブルにならないよう、電話、書面、訪問など段階を追って連絡しましょう。
最終的には法的手段も備えて事前準備しておくと安全です。
入居者トラブル・苦情処理
アパートを経営していく中には、管理が行き届かない場合などに大家さんと入居者との間でトラブルが起きたり、入居者から苦情をもらったりするケースがあります。
入居者から苦情をもらった際には、焦らず、話をしっかり聞きましょう。話を聞くことで適切に対処できます。
内容は、設備破損や不良、また近隣住人の声や物音がうるさいなど苦情理由はさまざまです。
ただし、入居者トラブル・苦情を未然に防ぐことがアパート管理の仕事とも言えるでしょう。
原状回復・残置物処理
本来、退去者は残留物がない状態、つまり賃貸した時と同じ状況で退去していくことがルールです。
ですから、破損したら回復して返却しますが、すべてのケースでそうならないこともあります。上記の場合、アパートを管理する側の責任で原状回復、残置物処理をしないといけません。
退居することが決まった際には、居住年数などにもよりますが、リフォーム業者を決めておくなど次の入居者がすぐに入居できる準備をしておくと空き時間が短く済みます。
保守点検
アパート共用部の補修、電球の交換などを行うための保守点検もアパートの管理では欠かせません。保守や点検業務を怠るとクレームなどにつながります。
そのため、定期的な点検が望まれるでしょう。
事務管理
アパート経営は、自分で会社を経営していることと同じです。
そのため、>毎月の収入から請求書や領収書の管理、月の収支をまとめた月次決算書、それらをまとめた年次決算書などが必要です。
アパート経営だけに従事しているならば、書類作成の事務作業時間もとれるかもしれませんが、会社勤めをしながらアパート経営をしている場合は、限られた時間の中で行うため、ミスが発生することもあります。
数字のミスは経営に影響するため、事務作業によるリスクを持たないためには外注することもアイデアとしてよいでしょう。
清掃
アパート管理の仕事として忘れてはならないことが、共有部分の清掃です。
戸数が少ない不動産であれば、手間は少なめでしょうが、物件が遠方にある場合や不動産数が多い場合は、自主管理する大家さんではまかないきれず、トラブルになる可能性もあります。
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アパートの管理会社の仕事内容
アパート経営の一部を管理会社に任せるとしたら、どんなことができるかアパートの管理会社の仕事内容を見ていきましょう。
管理会社の仕事は以下の2つのカテゴリーに分けることができます。
・入居者管理 ・建物管 |
入居者管理とは、入居希望者の募集から内見立会い、審査や契約、そして入居者の退去や契約更新といった諸業務までの一連の流れを指します。
また、契約内容によって家賃の収納代行、滞納時の督促や家賃保証なども行います。
さらに、入居者からのクレームや相談などを受け付けたり、緊急の場合は駆けつけることもあります。管理会社のなかには、クレームや緊急時の対応を担うコールセンターに委託することもあるでしょう。
建物管理とは、建物の管理に関すること全般を指します。建物を維持管理していくために必要な清掃や保守点検といった日常的な事柄、退去時のリフォームやクリーニングなどの業務、そして、修理や建物の老朽化を防ぎ維持していくための修繕計画や点検などを含みます。
ただし、これらは専門的な作業が多いため、アパート管理会社が別の専門業者に委託することがほとんどです。
上記のように、アパート管理で行う仕事内容は、管理会社が代行してくれますが、清掃や細かい部分、専門的な分野では対応していないこともあります。
アパートは自主管理・管理委託のどちらがよいの?
アパート経営に関して、自主管理か管理委託のどちらがいいかは大家さんの状況にもよります。
例えば、アパート経営だけを行なっている場合は、すべてを自主管理できるかもしれません。
しかし、本業を他に持ちながら、または物件が遠方や複数ある場合は、管理会社に委託する方がいいかもしれません。
しかし、所有物件を最初から管理委託にしてしまうと、アパート経営に必要な業務を理解することができません。
そのため、アパート管理会社が適切な仕事をしているかどうかの判断がつきにくいため、アパート管理をある程度理解できるまで手がけてみることは必要でしょう。
自身でアパート管理の業務内容を理解することで自主管理がいいのか、委託管理がいいのかを合理的に見極めることができます。
次からは、アパートの自主管理か委託管理か比較検討しやすくするために、各メリットやデメリットをお伝えします。
アパートの自主管理のメリット
アパートの自主管理に関するメリットです。
・費用が抑えられる
アパートの自主管理であれば、家賃のほぼ全額自分の収入となります。
しかし、アパート経営を管理会社に任せれば、手数料が発生します。手数料は家賃の2~7%ほどですが、年間にすると大きな金額となることもあるでしょう。
・経営者としてスキルやノウハウが身につく
アパート管理の仕事は、自分で会社を経営しているのと同じため、大家さんは経営者なのです。
そのため、アパートを自主管理することで経営者としてのスキルが身につき、また、賃貸経営に関するノウハウも必然と身につきます。
・物件を大事にし良い状態をキープさせやすい
業者に任せていないため、物件の老朽や不具合に気付きやすく、すぐに対応できます。
また空室にも気を配るようなり、空き物件の期間が短くなります。良い状態の物件をいつでも提供できる状態となるため、入居者からの苦情等も少なくなるでしょう。
アパートの自主管理のデメリット
アパートの自主管理に関するデメリットです。
・時間と労力を要する
アパート管理の仕事は人と建物の両方を管理するため、さまざまな事柄が発生します。
管理物件が多ければ一人で管理するのは不可能と言えるでしょう。無理にアパートの自主管理をしようとすることで、管理の質が落ち、入居者からの苦情や退去者が増えてしまうなど悪循環が生まれてしまいます。
・クレームや緊急事態に即対応する必要がある
クレームや緊急事態は予期せぬことであるため、いつでも対応できるようにしておかないといけません。
管理物件の近くに住んでいる場合は、すぐに駆けつけたり、事情を聞いてすぐに対応ができることも多いでしょうが、遠方の場合は難しいことも多々あるでしょう。
・管理会社によっては入居者の獲得が難しい
仲介と管理を一緒に行なう管理会社では、入居希望者に管理する物件から紹介し、入居を勧める傾向があります。
そのため、アパートは自主管理し、入居の募集だけを管理会社にお願いする状況では、積極的に物件を紹介してくれないことがあります。
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アパートの管理委託のメリット・デメリット
アパートの委託管理についてのメリットとデメリットをみていきましょう。
メリット
・労力の削減
・豊富な知識
アパートの自主管理は、家賃交渉やクレーム、家賃滞納の連絡など入居者とのやりとりをすべて行わないといけませんが、アパート経営を委託することで、上記の対応をしてくれます。
また、管理会社は賃貸経営に関する知識を持ち、24時間無休で対応してくれるため、緊急時も安心して任せることができるでしょう。
デメリット
・手数料が発生する
・担当者の力量で同質ではない
管理を任せるため、手数料など費用がかかります。また、アパートの管理会社といえども、会社のスタッフが入居者に対応するため、担当者によって質が変わります。
評判のいい管理会社はスタッフ教育がしっかりなされていることが往々にしてあります。
そのため、管理会社の見極めは重要なポイントです。
アパートの自主管理は部分的に外注化しましょう
アパート管理の仕事を把握しはじめると、アパートを自主管理できることも多いと感じるはずです。
ですから、一通り自主管理ができるようになると、どの作業が労力と見合っているか、いないかがわかるようになるでしょう。
多くの大家さんは、状況や個人の特質にもよりますが、労力や時間がかかる作業、専門知識や専門作業を必要とするパートは外注が望ましいと感じています。
なぜならば、利益を確保しつつ、アパートの自主管理を楽しみながら、賃貸経営というビジネスを発展させることができるからです。
例えば、保守点検などは外注してもいいでしょう。定期的に点検する時間と労力を省けます。
特定の点検だけを契約することもできますが、さまざまな事柄すべてを含んだサービス一式を契約することも可能です。
一式の方が割安ですが、必要ではない作業も含まれていることがあるため、作業ひとつから発注できるサービスであれば経費を抑えることができます。
また、アパートの管理会社でさえも、清掃は清掃会社やシルバー人材などに依頼することもよくあることです。大家さんしかできない業務も多々ありますから、任せられることは任せていく方が快適に自主管理でのアパート経営ができるでしょう。
清掃はご近所ワークで最も多い依頼です。詳しくは「マンション・アパート清掃おすすめのサービスと具体的な費用の相場」で紹介しています。
アパートの自主管理外注化の業者選びの注意点
アパートの管理を行う外注先の業者をどのように選んだらいいのでしょうか?
アパートの管理を行う外注先の業者を選ぶポイントは下記3点です。
・価格と品質を確認する |
ポイントを詳しく解説します。
価格と品質を確認する
依頼する業者選びのポイントは、価格とサービスの質の両方から見て、総合的に判断しましょう。安いからと選んだ結果、あとあとクレームになったり、悪い評判が生じたりすることもあります。
例えば、安価に利用できるシルバー人材センターなどもいっけん安く感じますが、いくつも依頼して合計金額で考えると別の業者の方が割安だったといったこともあります。「シルバー人材センターはひどい・トラブル多い?評判・クチコミを紹介」の記事も参考にされてみてください。
対応できる業務範囲を確認する
大家さんによっては対応できる業務範囲が異なります。そのため、対応できるサービスが細かく分けられていると、欲しい事柄だけ依頼できるので経費の無駄使いになりません。
「マンション・アパート清掃の4種類の業者・注意点【現役大家が解説】」では、依頼に関して留意したいポイントを詳しく解説しているため参考にしてみるのもいいでしょう。
スタッフの質を確認する
業者に依頼しますが、実際に作業を行うのは個人です。
そのため、依頼先業者で働くスタッフの質は大きなポイントとなります。スタッフが手がける作業の完成度合いはもちろんですが、マナーや人への応対もふさわしいものでないといけません。
例えば、入居者と触れ合う場所の清掃をしているときに、適切な挨拶ができるかどうかなどです。
それらを実際に確認するのは少々難しいこともありますが、インターネットにある口コミや評判などを注意してみるといいでしょう。
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アパートの自主管理でよくある質問(Q&A)
アパートの自主管理と管理委託で悩んでいる人からよく尋ねられる質問を取り上げました。
Q:自主管理は大変ですか?
アパートのすべてを自主管理するのは、正直大変です。管理する物件数が少ない場合はもしかしたらできるかもしれませんが、複数や遠方の場合は無理なことが多いでしょう。
例えば、清掃ひとつをとっても、日常清掃と定期清掃があります。日常清掃はエントランス、ゴミ置き場、廊下や階段の清掃、植栽の水やりなど、共用スペースの清掃は欠かせません。
そして、定期的な清掃となると、壁や床の高圧洗浄やガラス、蛍光灯の清掃などが考えられます。
管理する物件によっては、さらに清掃箇所があるかもしれません。詳細な内容は「日常清掃と定期清掃の違い|単価とおすすめの業者・サービス紹介」の記事をご覧ください。
そのほか、入居者の募集やクレーム処理、退去対応、帳簿などの事務作業など、大家さんの業務は多大です。自主管理しなくてもいい作業は外注する方が多角的な面で高い質をキープできます。
Q:管理委託へはいつ移行したらよい?
まずはアパートの自主管理をされてみて、できない部分を委託管理することをおすすめします。また、物件が満室になったときや物件数が増えてきたとき、自分では時間が足りなくなったという時も望ましいタイミングです。
賃貸経営もビジネスですから発展させていくためには、外注化できる点、例えば、清掃や事務管理などは外注化しましょう。
そして、大家さんは、将来の発展のために投資物件を探したり、サービスを高める施策などに時間や労力を費やすといいでしょう。
清掃を外注化することに関しては「アパート・マンション共用部清掃は必要?頻度.おすすめの業者を紹介」の記事も併せてご覧ください。
Q:自主管理の大家さんはトラブル対策のために何ができますか?
大家さんができるトラブル対策は日頃から、建物管理を徹底することです。特に清掃は怠らないでやりましょう。
よく掃除された物件は清々しく、入居者にとっても出入りする業者にとっても気持ちのいいものです。
また、入居者や業者とコミュケーションを取り、関わる人が気持ちよく過ごせるような環境づくりに徹底して取り組みましょう。
まとめ:アパートの自主管理は業務理解をした部分から外注化がおすすめ
アパートの管理にはさまざまな事柄があります。入居者の募集から退去に至るまでの一連の事柄、その中にはクレームや緊急時の対応なども含まれます。
また、建物維持のための点検や修理、日々の清掃などがあります。
自主管理であっても委託管理であっても、どれもアパート経営には欠かせない要素ですが、時間がない、遠方に物件がある、物件数が多いといった状況であれば、管理会社に任せてもいいでしょう。
しかし、自主管理でもできることは多数あり、アパートの自主管理によって賃貸経営のスキルが身についたり、手数料を取られることがなく家賃がほぼ手元に入ってくることなどは、自主管理におけるメリットです。
一方、デメリットは時間や労力がかかること、入居者にいつでも対応できるようにしておくことなどが挙げられます。
そのため、まずは自分で管理し業務を十分に理解したうえで、コストパフォーマンスが低い点は専門業者に委託することが、アパート経営を円滑に進めていくコツです。
外注をお考えであれば、近所に住む主婦が活躍する「ご近所ワーク」に一度ご相談されるのもいいでしょう。清掃をはじめ、さまざまな作業を取り扱っているサービスです。
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